レザーシェード目利きのチェックポイント②
革の色合い
革の魅力の一つは、豊かな発色性。
鮮やかだったり暗かったり、色味も染め方も様々だ。
ぜひ自分好みの色を見つけて欲しい。
2014年発行 「日本の革 7号」より
明治年創業の老舗革問屋ながら、「どこにもないオリジナリティある革」を追求している天野宝国。そんな同社で、今キーワードとなっているのが“アンティーク感”だ。
そのアンティーク感を出すにふさわしい素材として、同社が見出したのが馬革だ。馬革といえばコードバンをイメージする人も多いだろうが、あえて首周りから前足にかけてのフロント部分に着目。同社の渋木さんはその魅力について、「フロントはよく動かす部分なのでシボが多い。だから染めたときに自然なムラができるんです」と語る。確かに、仕上がりを見ると濃淡のある色味が味わい深い趣きを醸し出している。「私たちは革本来の質感が大事だと考えています。均一的な色味だけでなく、この生命感ある表情をぜひ手にとって見てほしいですね」。
見よ、このアンティーク感。自然だからこそ生まれる風合いを楽しみたい。その下は珍しい迷彩柄のステア。同社には様々な色合いがそろう。
柿渋調で染められた革と製品。上品な中に、ここにもアンティーク感が見られる。
渋木さんはこの道約30年のベテランだが、今もなお面白い革を探し求める。