運命の一足と出合うために<br>解“靴”新書

セレンディピティ運命の一足と出合うために
解“靴”新書

いい靴はケアを怠らなければ、一生モノになりうる。
そのためには靴のみならず、あなたの足も知ることが肝要である。
ここで紹介するもろもろは、まさに基本の「き」となるものだ。

2014年発行 「日本の革 7号」より

革は履き込むうちになじみ、甲を包み込むようになる。グッドイヤーウエルトなら多くはコルクを充填しており、歩行の加重により、沈み込んであなたの足裏の凹凸をも再現する。
いい靴には、ロングスパンで付き合ってもらうことを前提とした設計思想がある。これを宝の持ち腐れとしないためには、まずは自分の足に合った靴を見きわめる知識が必要である。また、靴の製法にはいくつかあり、製法によって履き心地も寿命も変わる。製法を知ることも大切だ。デザインの違いも知っておいて損はない。
もちろん一生モノとするためには、日々の手入れと、トップリフト(踵の先端についたラバーピース)など消耗品の交換時期を見逃さないことが前提だ。


角度別チェックポイント

見るべきところを見ることで、自ずと選択肢は絞られる。靴をぐるりと回しながら、ポイントを見ていこう。

爪先に1cmほどのゆとりがあるか

爪先には捨て寸と呼ぶゆとりがあるのが望ましい。足は小指の付け根、親指の付け根、そして踵の3点を結ぶじん帯のバネ=アーチを使って衝撃を吸収する。つまり、人は歩行時、足が伸び縮みしていることになる。この運動領域を確保するのが捨て寸、というわけだ。その目安は1cm前後と覚えておこう。足を踏みつけたとき、屈曲する箇所であるボールジョイントが適度にフィットしているか否か、も大切なチェックポイントである。


デザイン

紳士靴のおもなデザインがこちら。右へ行くほど、カジュアル色が強まる。ビジネスシーンなら左3足が一般的。

ストレートチップ

[REGAL]

38,880円