村上裕宣
m.rippleデザイナー

ホックで閉じるコインケース

 ホックで閉じるコインケース

はじめに

日常的に使えるシンプルなデザイン

必要な分だけコインを収納できるシンプルでコンパクトなデザインのコインケースです。角が丸くかわいらしいフォルムは、手に持った時のやさしいフィット感があり使うたびに愛着が湧いてくるアイテムです。

今回ご紹介するレシピでは、レザークラフトにおいての「切る」「貼る」「縫う」の基本工程にプラスして、ホックの取付けを学ぶことができます。また、水に濡らして変形させて乾かすことで、革に形状を記憶をさせる「ウォータフォーム」というテクニックを習得することができます。

レシピ

ホックで閉じるコインケースの作り方

型紙ダウンロード〔A3サイズ〕

※A3実寸サイズです。A3用紙に拡大縮小せずに印刷してください。


STEP.1

革に型紙を乗せて目打ちでトレースします。

<ポイントアドバイス>
革には繊維があり、曲がりやすい方向に伸びやすくなります。革を裁断する際は、曲がりやすい方でトレースして裁断を行いましょう。

STEP.2

「革包丁」で革を裁断します。

STEP.3

裁断したパーツのトコ(革の裏側)を磨きます。

STEP.4

コインを出し入れする口のカットをするため、パーツAの角に「ハトメ抜き」で丸く穴を開けます。

STEP.5

カーブに沿ってフタの内側部分を裁断します。裁断したパーツBの内側のコバ(革の切り口)を磨きます。

STEP.6

パーツBの「バネホック」を取り付ける位置に、「ハトメ抜き」で穴を開ける。

STEP.7

「バネホック用打棒」と「オールマイティプレート」を使用して、パーツBにホックを取り付けます。

<ポイントアドバイス>
取り付ける際、ホックの内側にある線をコインケース本体と平行にすると周りへの負荷がかかりにくくなります。

STEP.8

パーツAの縫製部分に「サイビノール」を2ミリ幅塗ります。

<ポイントアドバイス>
細かい塗りの部分はカッターマットの端を使うと綺麗に塗ることができます。塗りが難しいと感じた際には使うようにしましょう。

STEP.9

「サイビノール」が少し乾いたら、センターを最初に貼り、周りという順にパーツA・Bを貼り合わせていきます。

STEP.10

「デバイダー」を3ミリにセットし、縫製する箇所に3ミリ幅で線を引きます。

STEP.11

印を付けたところに「菱ぎり」を使って穴を開けていきます。

<ポイントアドバイス>
「菱ぎり」の穴を開ける部分を真上から見ると「◇」の形になっているので、「◇」が斜めになるように穴を開けていくのがコツです。

STEP.12

「ロウビキ糸」をコインケース全体の4倍の長さで切り、両端に「手縫針」をつけます

<ポイントアドバイス>
上に通したら、下に2回糸の中の繊維に通しましょう。糸の繊維に2回通すことで糸が針から抜けづらくなります。

STEP.13

「菱ぎり」で開けた穴に針を通して縫製していきます。

STEP.14

縫い終わりは「二目返し」にします。

STEP.15

糸を3〜5ミリほど残してハサミで切ります。

STEP.16

ライターで燃やして糸留めを行います。

<ポイントアドバイス>
前のSTEPで残した糸が長いと、燃やした時に糸どめの玉が大きくなります。長さはお好みで調整してみてください。

STEP.17

仕上げに全体のコバ磨きを行います。

STEP.18

コイン収納スペースを作るため、コイン収納部を水で濡らします。

STEP.19

紙などで中に詰め物をして、コイン収納スペースの革を膨らませた状態にします。

STEP.20

乾くまで放置します。

STEP.21

乾いたら完成となります。


型紙ダウンロード〔A3サイズ〕

※A3実寸サイズです。A3用紙に拡大縮小せずに印刷してください。

作者プロフィール

村上裕宣

レザークラフト歴25年。1997年にバイクに乗る際の身の回りのアイテムを自作したのがきっかけで、レザークラフトに魅了される。バッグ・財布・小物のクラフトを得意とし、メーカー勤務後、2012年よりレザーブランド「m.ripple」にて活動中。ショップ兼工房、ECサイト、百貨店ポップアップ、展示会へも多数出店し、企業とコラボも担当する。

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