スロウ世界中の革好きに刺さる、
細部までこだわり抜いた珠玉のコレクション
「自分たちが持ちたくなるモノをつくる」という精神を原点に、素材の魅力を最大限に活かしながら、日本の職人技術を駆使して生み出されるスロウのプロダクト。
国内はもちろん、海外の人たちにも支持されており、新作を心待ちにしているファンも多い。ブランドネームは「移り変わりの激しい時代に流されず、ゆっくり創作を追求していきたい」というモノづくりのスタンスを示している。当初はセレクトショップなどに商品を置いてもらって販売する卸しを主軸としていたが、2012年には待望の直営店が大阪・南堀江にオープン。現在は鎌倉や京都などに計8店舗を持つブランドへと成長を遂げた。ちなみに自由が丘店は3年ほど前からスタートしたアパレルも扱い、スロウの今を発信している唯一のショップでもある。オリジナルのジャケットやシューズもセンスよく並べられ、スロウ好きに刺さること請け合いのラインナップになっている。
ブランドを支えているのは、職人たちの真摯なモノづくり。70代のマスタークラスをはじめとする20人の職人が在籍しているが、育成にも力を入れているため若い世代や女性も多い。しかもそのほとんどは、店舗での経験を積んでから職人の道に進んでいる。それは、なによりブランドの世界観を大切にしているから。ただ綺麗にモノをつくることができる職人はたくさんいる。だが、店頭に立つことで世界観をきちんと理解してつくらないと、カタチになったときに違和感が生まれることもあるのだ。
さらに注目すべきは、使い手の気持ちになったモノづくりも意識しているところ。内ポケットひとつとっても、現代生活で必要なのか、使いやすいかなどを熟考されて配している。それはバッグや財布などは使い心地が伴っていてこそ、はじめてプロダクトとして成立すると考えているからだろう。
スロウのプロダクトは基本的にシンプルだが、モノの善し悪しは細部に宿るかのごとく、ディテールへのこだわりには目を見張る。とはいえ、闇雲に職人技を盛り込んでいるわけではない。たとえば、ブランドの代名詞でもある「ボーノ」のトートバッグ。きちんと処理しないと革がほつれていってしまうパーツであるにも関わらず、よく見ると開口部が切りっぱなしになっている。これはしっかり油分が入った革を使用しているからこそ成せる仕上げであり、エイジングすることで研磨されたように変化していくのだ。
逆に財布などはコバ磨きの高度な技術が存分に発揮されており、見た目の美しさを高めるのにもひと役買っている。そのように素材を楽しむモノ、職人技を楽しむモノをバランスよく取り揃えているというのも、スロウの特徴のでもあるのだ。
最近はなんでもネットで気軽に買うことができる。そんな時代だからこそ、スロウはお客様との会話を大切にしているという。それは接客から今どういうデザインが求められているのか、どういう機能が求められているかなどを知るためでもある。
もちろん自分たちのモノづくりにこだわりを持っているが、さまざまな意見を真摯に受け止めながら、実際にプロダクトにも反映しているのだ。一方的に提案するのではなく、お客様を含めてみんなでブランドを育てていく感覚とでもいおうか。そんな柔軟な姿勢こそスロウの魅力であり、海外からも足繁く通うファンがいる理由でもあるのだろう。そして革製品に精通したスタッフとの会話を楽しみながら買い物をする。そんな買い物の原点に立ち返りたくなるブランドでもある。
ロングセラーを記録し続けている、
スロウのこだわりがつまった傑作
「ボーノ」のトートバッグは、スロウの代名詞的なアイテム。栃木レザーに別注したフルベジタブルタンニングレザーは、これまでよりも薄く仕上げられている。コシがありながらもソフトな質感はそのままに、より気軽に取り入れられるよう軽い持ち心地に進化しているのだ。金具は必要最低限に抑えているのも、軽さを高めるのにひと役買っている。
また、革の芯まで天然染料を浸透させているのも特徴で、それによって生まれる墨黒の独特な色合いも目を引く。開口部がガバッと開くので視認性にも優れ、あえて仕切りを省いたつくりは使う人のライフスタイルや状況に合わせてフレキシブルに寄り添ってくれる。
SLOW bono -new tote bag-
- 素材
- 牛革
- 価格(税込)
- ¥39.600