トラブルシューティング2型崩れを起こしてくたびれて見える
2011年発行 「日本の革 4号」より
元の形をイメージしながら
歪みや縮みを手で修復
重い荷物の持ち運びに加え、乾燥や湿気など気候の影響も受け、変形してしまった鞄。手で引っ張り、アウトラインの体裁を整えるだけでも全体の印象はかなり変わってくる。その後、詰め物をして1〜2日置くとより効果的だ。
革を引っ張る作業をスムーズにするコツは、「ヒーターの前など暖かい場所で行うこと」と大関さん。革が伸びやすくなるからだそうで、革職人は真夏でも実践しているという。また、革は乾燥すると硬くなるため、事前にオイルを塗っておくと作業がやりやすくなる。
直った鞄はタオルなどを中に詰め、風通しのよい場所に吊るして保管を。新たな型崩れ防止になるのでおすすめだ。
長年の使用によって全体的に歪みが生じてしまった鞄。不自然なへこみやシワ、ラインのズレなどが随所に見られ、くたびれた印象を受けてしまう。
ガンコな歪みにはアイロンを!
手で引っ張っただけでは戻らない歪みや深いシワにはアイロンが有効。低温に設定し、当て布をした上からアイロンをかけて伸ばしていく。ただし、革によっては傷めてしまうこともあるので要注意。